プレイヤーズコンベンション千葉

2025/2/8

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妄想~狼少年より

wolf boy

「オオカミを見たよ」

そう話す少年を信じる者はいなかった
オオカミなんて 爺さんのそのまた爺さんの代に
とうに絶えた筈だったから
一握りの物好きだけが少年を訪ねた

「オオカミが来たよ」

少年は血まみれの子羊を抱えて現れた
道行く人全てが振り向いた

これが牙と爪の跡だと
少年は誇らしげに傷だらけの全身を晒したが
綺麗なままの片腕が言っていた

「オオカミはいない」